
急速冷凍工程とは、食品の中心温度を最大氷結晶生成温度帯で短時間に通過させて凍結する加工工程です。ゆっくり凍結する場合より氷結晶が小さくなるため、組織の破壊やドリップを抑えられ、洋菓子の半製品・完成品の保存にも広く使われています。この記事では、急速冷凍工程の意味と仕組み、基本の手順とコツ、現場での使われ方、よくある質問までをわかりやすく解説します。
急速冷凍工程とは、食品の中心温度を最大氷結晶生成温度帯で短時間に通過させて凍結する加工工程です。
食品を凍結する際、-1℃~-5℃の温度帯は水分が最も大きな氷結晶になりやすく、最大氷結晶生成温度帯と呼ばれます。急速冷凍工程では、この温度帯を30分程度以内に通過させることで氷結晶を微細に抑え、組織の破壊を最小限にします。ゆっくり凍結する緩慢冷凍に比べ、解凍後の水分やうまみの流出(ドリップ)が少なく、食感や風味を保ちやすいのが特徴です。洋菓子の製造現場では、ブラストチラーやショックフリーザーといった専用機でこの工程を行うのが一般的です。
加熱や成形が終わった食品を、できるだけ早く急速冷凍機にかける
-30℃~-40℃程度の冷気を当て、中心温度が最大氷結晶生成温度帯を30分以内に通過するよう凍結する
庫内の冷気が食品全体に均一に当たるようにし、表面と中心の温度差を小さくする
中心温度が完全に下がったことを確認したら、通常の冷凍保管温度帯の冷凍庫へ移す
凍結にかかる時間は、食品の厚みと庫内での詰め込み方に大きく左右されます。できるだけ薄く小分けにして表面積を広げ、庫内には隙間をあけて並べることで、冷気が全体に行き渡り凍結時間を短縮できます。常温のまま急速冷凍機に入れると通過時間が延びやすいため、あらかじめ冷蔵庫で温度を下げてから凍結すると仕上がりが安定しやすくなります。
急速冷凍工程は、ムースやレアチーズケーキのような冷製の半製品、フルーツピューレやソースといった仕込み材料の保存に使われています。焼成後の生地や成形済みの半製品をまとめて急速冷凍しておくことで、必要な分だけ順次仕上げに使う在庫運用も可能になります。
現場でつまずきやすいのは、解凍時に発生する「ドリップ」への対応です。解凍を急いで常温に放置すると水分や風味が流出しやすいため、冷蔵庫内で数時間から一晩かけてゆっくり解凍するのが基本とされています。ドリップが目立つ場合は解凍方法だけでなく、凍結・保管・解凍・包装のどの工程に原因があるかを順に確認していくと、改善点を切り分けやすくなります。
どちらも食品を凍結する方法ですが、凍結にかかる時間が異なります。急速冷凍は最大氷結晶生成温度帯を短時間で通過させて氷結晶を微細にする方法で、緩慢冷凍は氷結晶が大きくなりやすく、組織が壊れて解凍時のドリップが増えやすいとされています。
冷蔵庫の中に移し、数時間から一晩かけてゆっくり解凍する方法が基本です。常温や温水で急いで解凍すると温度変化が大きくなり、水分やうまみが流出するドリップが発生しやすくなります。
氷結晶による組織破壊を抑えられるため、解凍後も食感や風味が保たれやすくなります。あわせて半製品をまとめて凍結保存できるようになるため、仕込みの計画やロット管理の効率化にもつながります。

執筆者 森岡千明|株式会社スナックミー パティシエ・商品開発
大阪のデザート専門店や東京の三ツ星レストラン、ケーキ店などでパティシエとして経験を積んだのち、株式会社スナックミーへ入社。商品開発職を経て、現在はカスタマーサポートを担当。商品開発で培った経験をもとに、お客さま一人ひとりの声にていねいに向き合いながら、福利厚生向け置き菓子の魅力や「おやつ時間」の楽しみ方を伝えるコンテンツ制作にも携わる。好きなおやつは『さつまいもチップス』と『サクほろ 濃厚ココアクッキー』。
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