
特定原材料とは、食品表示法に基づき、容器包装に入った加工食品への表示が義務付けられているアレルゲン品目のことです。卵や乳、小麦、そばなど、重篤な健康被害につながりやすい原材料が指定されています。この記事では、特定原材料の意味や対象品目、製菓現場で押さえておきたい表示の実務ポイントをわかりやすく解説します。
特定原材料とは、消費者庁が食品表示基準で定める、アレルギー表示が義務づけられた原材料区分です。
食物アレルギーによるアナフィラキシーなど重篤な健康被害を防ぐ目的で設けられた制度で、対象品目は発症数や重篤度を踏まえて随時見直されています。2023年にはくるみが追加され、2026年4月にはカシューナッツが新たに義務表示対象となりました。
特定原材料は、食品表示法に基づく食品表示基準で対象品目や表示方法が細かく定められています。原材料表示欄には該当する原材料を含む旨を明記する必要があり、表示を誤ると消費者庁や自治体からの指示・命令の対象になることもあります。
原材料名がそのまま「卵」「乳」などと書かれていなくても、消費者庁が認める「代替表記」や、特定原材料名を含む「拡大表記」であれば、含む旨の表示を省略できます。現場でよく確認される表記は次のとおりです。
特定原材料 | 代替表記 | 拡大表記(例) |
えび | 海老、エビ | えび天ぷら、サクラエビ |
かに | 蟹、カニ | 上海がに、カニシューマイ、マツバガニ |
くるみ | クルミ | くるみパン、くるみケーキ |
小麦 | こむぎ、コムギ | 小麦粉、こむぎ胚芽 |
そば | ソバ | そばがき、そば粉 |
卵 | 玉子、たまご、タマゴ、エッグ、鶏卵、あひる卵、うずら卵 | 厚焼玉子、ハムエッグ |
乳 | ミルク、バター、バターオイル、チーズ、アイスクリーム | アイスミルク、牛乳、生乳、濃縮乳、乳糖、調製粉乳 |
落花生(ピーナッツ) | ピーナッツ | ピーナッツバター、ピーナッツクリーム |
カシューナッツ | (公式リスト未確認。要確認一覧参照) | ー |
※注意点として、卵のうち「卵白」「卵黄」は特定原材料名を含んでいても拡大表記としては認められず、「卵白(卵を含む)」のように別途表示が必要です。また「乳」は牛の乳から作られた食品が対象で、水牛や山羊の乳は対象外という区分もあります。
義務ではないものの表示が推奨されている品目群です。2026年4月の改正でカシューナッツが特定原材料(義務)側に移り、ピスタチオが新たに加わりました。
品目
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、ピスタチオ、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン
※義務表示の特定原材料とは区別して扱う必要があります。
製菓・製パンの現場では、レシピ台帳や仕入れ原材料の規格書をもとに、使用原材料に特定原材料が含まれていないかを定期的に確認する運用が一般的です。原材料の仕入れ先やロットが変わった際は、アレルゲン情報が変わっていないか改めて確認することが欠かせません。また、同じ製造ラインで複数の原材料を扱う場合は、意図しない混入(コンタミネーション)を防ぐための作業動線の分離や、注意喚起表示の検討も現場対応の一部とされています。新人スタッフには、原材料表示のルールとあわせて、コンタミネーションのリスクについても早い段階で伝えておくことが望ましいとされています。
特定原材料は表示が法律で義務付けられている品目で、違反すると行政処分の対象になり得ます。一方、特定原材料に準ずるものは表示が推奨されているだけで、義務ではありません。
食品表示法に基づく食品表示基準違反となり、消費者庁や自治体から表示の是正指示や命令を受ける可能性があります。重篤なアレルギー事故につながるおそれもあるため、慎重な確認が必要です。
食品表示基準の対象は原則として容器包装に入った加工食品です。対面販売でパッケージに入れずに販売する場合は法的な表示義務の対象外となることがありますが、口頭での説明など任意の情報提供が推奨されています。
いますぐエントリー!