網の上に並んでいる焼きカスタードタルト

焼き縮みとは?仕組みとポイントをわかりやすく解説

焼き縮みとは、焼き上がった生地や気泡構造が冷める過程で収縮し、体積や形が小さくなってしまう現象です。シフォンケーキがしぼんでしまう、パンの側面がへこむ、クッキーやタルト生地が型より小さく縮んでしまうなど、製菓・製パンの現場で幅広く起こりうるトラブルのひとつです。この記事では、焼き縮みが起こる仕組みと原因、現場での対処法、よくある質問までをわかりやすく解説します。

焼き縮みとは

焼き縮みとは、焼成後に生地や気泡構造が収縮し、体積や形が小さくなる現象のことです。
焼き縮みは、性質の異なる2種類の原因によって起こります。ひとつは生地が持つグルテンの弾性による収縮、もうひとつはメレンゲやイーストによって作られた気泡構造が支えきれずに萎む収縮です。菓子・パンいずれの現場でも起こりうる代表的なトラブル現象で、見た目のボリューム低下だけでなく、食感が詰まる原因にもなります。

焼き縮みが起こる仕組みと防ぎ方

グルテンの弾性による収縮(クッキー・パイ・タルト生地)

生地を練りすぎたり、伸ばした直後にそのまま焼成したりすると、グルテンが強く形成された状態で加熱されます。グルテンには弾性があり、加熱によって元の形に戻ろうとする力が働くため、型より生地が縮んでしまいます。防ぐには、成形後に生地を冷蔵庫で休ませてグルテンの緊張を緩めてから焼成することが基本の対策です。

気泡構造の収縮(シフォンケーキ・パンなど)

メレンゲやイーストによって生地内に取り込まれた気泡は、加熱によって膨張し生地を膨らませます。しかし気泡を支える膜が弱かったり、焼成が不十分で中心部が生焼けのまま冷めたりすると、気泡が支えきれず生地全体が収縮してしまいます。防ぐには、気泡膜をしっかり安定させる泡立てと、十分な焼成を行うことが基本の対策です。

焼き縮みが起こる場面と現場対応

シフォンケーキは、焼成直後に逆さまにして冷ますことで気泡膜が固まるまで生地の重みを分散させ、収縮を防ぐ工程が広く行われています。パンでは二次発酵の過多や焼成不足によって、成形時にできた大きな空洞が焼成後にしぼむ原因になりやすいとされています。クッキーやパイ・タルト生地では、練りすぎた生地をそのまま焼くと縮みやすいため、成形後に冷蔵庫で休ませる工程を挟むのが基本の対応です。

現場でつまずきやすいのは、「焼き色がついた=焼き上がった」と判断して早めに取り出してしまうケースです。中心部の焼成が甘いまま冷ますと、外側は固まっていても内部の気泡構造が崩れて縮みが進みます。竹串などで中心の状態を確認する、休ませ時間を工程に明確に組み込むといった運用面の工夫が、焼き縮みの再発防止につながります。

焼き縮みに関するよくある質問

焼き縮みと焼き崩れの違いは何ですか?

焼き縮みは、焼成後に生地全体の体積が収縮する現象です。一方、焼き崩れは生地の一部が型崩れしたり割れたりして形が保てなくなる現象を指し、原因も収縮とは異なります。両者は混同されやすいですが、対策のポイントも別に考える必要があります。

焼き縮みを起こした生地はやり直しがききますか?

焼成後に縮んでしまった生地を元に戻すことはできません。ただし原因を切り分けられれば、次回以降の焼成で防げることが多いです。グルテンの休ませ不足か、気泡構造の弱さ・焼成不足かを見極め、該当する対策を次回の工程に反映することが現実的な対応です。

焼き縮みを防ぐために生地を休ませる時間の目安はどれくらいですか?

生地の種類や配合によって異なりますが、クッキーやタルト生地では冷蔵庫で30分〜1時間程度休ませるのが目安とされています。休ませることでグルテンの緊張が緩み、焼成時に縮みにくくなります。

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執筆者 森岡千明|株式会社スナックミー パティシエ・商品開発

大阪のデザート専門店や東京の三ツ星レストラン、ケーキ店などでパティシエとして経験を積んだのち、株式会社スナックミーへ入社。商品開発職を経て、現在はカスタマーサポートを担当。商品開発で培った経験をもとに、お客さま一人ひとりの声にていねいに向き合いながら、福利厚生向け置き菓子の魅力や「おやつ時間」の楽しみ方を伝えるコンテンツ制作にも携わる。好きなおやつは『さつまいもチップス』と『サクほろ 濃厚ココアクッキー』。

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