
ピロー包装機とは、ロール状の包装フィルムで製品を包みながら袋状に成形し、密封する自動包装機です。仕上がった形が枕(pillow)に似ていることからこの名がつき、焼き菓子やスナック菓子など個包装が必要な製品の生産ラインで幅広く使われています。この記事では、ピロー包装機の意味と仕組み、種類・選び方、現場での使いこなし、よくある質問までをわかりやすく解説します。
ピロー包装機とは、フィルムを筒状に成形し製品を包んで密封する自動包装機のことです。
ロール状の包装フィルムを筒状に成形し、その中に製品を送り込んで縦方向と横方向をシールしたのち、1つずつカットして個包装に仕上げます。仕上がりの形状が枕に似ていることが名前の由来です。菓子パンやクッキー、せんべい、チョコレートなど、幅広い製品の個包装に使われています。
ピロー包装機には、製品を上から落として包む「縦型」と、水平に搬送しながら包む「横型」があります。縦型は液体・粉体・粒体・粘体などを一定量ずつ計量しながら包装するのに向いた方式です。横型はさらに、フィルムで上から包み込む「正ピロー」と、下から包み込む「逆ピロー」に分かれ、搬送方式にはロータリー方式・ボックスモーション方式などのバリエーションがあります。
個人店・小規模工房では、扱う製品数が限られるため、卓上型や半自動の横型ピロー包装機で十分対応できることが多いです。一方、量産工場では、複数ラインへの組み込みや高速搬送に対応した高速ロータリー式の機種が選ばれる傾向にあります。処理速度・対応できるフィルム幅・製品サイズの変更しやすさが、規模に応じた選定のポイントです。
正ピロー:クッキーやパウンドケーキなど形が一定の固形物、トレーに乗せた製品に向いています
逆ピロー:せんべいの割れ物やバラ物、熱に弱い製品、トレーに乗せられない不定形の製品に向いています
縦型:液体・粉体・粒体の製品に向いていますが、上から落として投入するため、衝撃に弱い製品には不向きです
フィルムをセットし、筒状に成形する
製品を投入し、縦方向をシールする
一定間隔で横方向をシールし、袋状にする
製品ごとにカットして個包装として排出する
ラインの後工程(金属探知機等)へ送る
製菓の生産現場では、クッキーやパウンドケーキ、半生菓子などを1つずつ個包装する工程でピロー包装機がよく使われます。焼き上がった製品の形やサイズに合わせて正ピロー・逆ピローを使い分け、割れやすい製品には逆ピロー方式を選ぶといった運用が一般的です。
現場でつまずきやすいのが、シール不良です。シール部分に粉や油分が付着していると密封が甘くなりやすく、フィルムの張り具合やシール温度の調整がずれても同様のトラブルにつながります。季節による湿度変化でフィルムの状態が変わることもあるため、稼働前の試し打ちで確認する運用が有効です。また、ヨコシーラ・タテシーラといったシール部分は機種を問わず消耗しやすい共通部品であることが多く、定期的な点検・交換が安定稼働の土台になります。
ピロー包装機は、フィルムで製品を包んでシールする点は共通ですが、真空包装機のように袋内の空気を抜く工程はありません。個包装のスピードを重視する製品にはピロー包装、酸化や乾燥を防ぎたい製品には真空包装が向いています。
液体・粉体・粒体など計量しながら包みたい製品には縦型が向いています。固形物やトレーに乗せた製品、バラ物や熱に弱い製品には、正ピロー・逆ピローを使い分けられる横型が向いています。
シール部への粉や油分の付着、フィルムの張り不足、シール温度のずれなどが主な原因です。稼働前の試し打ちと、シール部品の定期点検で防ぎやすくなります。

執筆者 森岡千明|株式会社スナックミー パティシエ・商品開発
大阪のデザート専門店や東京の三ツ星レストラン、ケーキ店などでパティシエとして経験を積んだのち、株式会社スナックミーへ入社。商品開発職を経て、現在はカスタマーサポートを担当。商品開発で培った経験をもとに、お客さま一人ひとりの声にていねいに向き合いながら、福利厚生向け置き菓子の魅力や「おやつ時間」の楽しみ方を伝えるコンテンツ制作にも携わる。好きなおやつは『さつまいもチップス』と『サクほろ 濃厚ココアクッキー』。
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