
シーターとは、ローラーで生地を挟んで一定の厚さに伸ばす製菓・製パン機械です。クロワッサンやパイなど、バターを折り込んだ生地を手作業より均一かつスピーディーに仕上げられるのが特徴です。この記事では、シーターの意味や仕組み、機種の種類と選び方、向いている生地、現場での使いこなし方までをわかりやすく解説します。
シーターとは、ローラーで生地を挟み込み、一定の厚さに均一に伸ばす製菓・製パン機械のことです。
シーター【英:sheeter】は、生地を上部から投入し、ベルトとローラーで巻き込みながら圧をかけて伸ばし、中央の受け皿へ送り出す構造を基本とします。生地中の余分なガスを均一に抜きながら厚みをそろえられるため、折り込みパイ生地やクロワッサンのように何度も生地を伸ばして重ねる工程で活躍します。手で伸ばすよりも力加減のムラが出にくく、大量生産や再現性が求められる現場で重宝されています。
シーターには、手回しでハンドルを操作しながら生地を伸ばす「リバースシーター」と、モーターの動力でローラーを回転させる動力式があります。リバースシーターは生地を裏返しながら少しずつ薄くしていくのが特徴で、洗浄や折りたたみができるコンパクトなモデルも増えています。動力式は据置型・スタンド型が中心で、ローラー間隔を細かく調整できる機種が多く、スクレーパー(かき板)が着脱式になっているものは清掃もしやすくなっています。
個人店や小ロット中心の洋菓子店では、1回に伸ばせる生地量が300g程度のリバースシーターでも十分対応できます。中規模のベーカリーでは、ローラー間隔を段階的に調整できる卓上型の動力シーターを選ぶと、クロワッサンやデニッシュの量産に対応しやすくなります。工場規模で連続生産を行う場合は、据置型・スタンド型でローラー幅や搬送速度が大きい機種が向いています。
シーターは、折り込みパイ生地やクロワッサン、デニッシュのように、バターを層状に折り込んだ硬めの生地を均一に伸ばす作業に向いています。手の熱がローラーを介して直接生地に伝わりにくいため、バターがダレにくいのも利点です。一方、水分量が多くやわらかい生地や、ごく少量だけ伸ばしたい生地には不向きで、無理に通すとローラーへの負荷や生地の破れにつながるため、その場合は手作業のほうが適しています。
基本的な使い方は次の流れになります。
打ち粉をしたシーターボードやベルトに生地を置く
ローラー間隔(厚み)を粗い設定から始める
生地をローラーに通し、向きを変えながら少しずつ間隔を狭めていく
必要な厚みになるまで2〜4を繰り返す
使用後はスクレーパーなどの部品を外して清掃する
シーターが最も活躍するのは、クロワッサンやデニッシュなど、バターを何度も折り込む生地の量産工程です。ベーカリーでは動力式シーターで連続的に生地を伸ばし、洋菓子店ではリバースシーターを使って少量ロットのパイ生地やクッキー生地を仕上げるなど、規模に応じた使い分けがされています。バターの温度が上がりすぎると層が壊れやすいため、生地を冷やす工程とシーターにかける工程を交互に挟みながら作業するのが一般的です。
現場でつまずきやすいのは、ローラー間隔を一気に狭めてしまうことです。段階を飛ばして薄くすると、生地が破れたりガス抜けにムラが出たりしやすいため、厚みは少しずつ詰めていくのがコツです。また、スクレーパーや受け皿の清掃を怠ると、生地カスの目詰まりからローラーへの巻き込みが起きやすくなるため、使用のたびに部品を外して洗浄する習慣が欠かせません。
呼び方の違いで、指しているものはほぼ同じです。生地をローラーで伸ばす機械という点は共通しており、メーカーや現場によって「シーター」「パイローラー」のどちらの名称も使われています。
リバースシーターは手回しでハンドルを操作し、生地を裏返しながら伸ばす手動タイプです。動力式はモーターでローラーを回転させ、より大きな量やスピードが求められる現場に向いています。
使用後は、スクレーパーやローラー周りに付着した生地や打ち粉を必ず取り除きます。部品が着脱式の機種は外して洗浄し、水分が残ったまま放置すると衛生面や動作不良の原因になるため注意が必要です。

執筆者 森岡千明|株式会社スナックミー パティシエ・商品開発
大阪のデザート専門店や東京の三ツ星レストラン、ケーキ店などでパティシエとして経験を積んだのち、株式会社スナックミーへ入社。商品開発職を経て、現在はカスタマーサポートを担当。商品開発で培った経験をもとに、お客さま一人ひとりの声にていねいに向き合いながら、福利厚生向け置き菓子の魅力や「おやつ時間」の楽しみ方を伝えるコンテンツ制作にも携わる。好きなおやつは『さつまいもチップス』と『サクほろ 濃厚ココアクッキー』。
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