レモンタルトが網の上に並んでいる様子

フォンサージュとは?やり方とコツをわかりやすく解説 

フォンサージュとは、延ばしたタルト生地をタルトリングや型の側面・底にぴったりと敷き込む工程のことです。フランス語で「敷く」を意味する言葉が由来で、タルトやキッシュなど生地を型に沿わせて焼くお菓子作りに欠かせない技法です。この記事では、フォンサージュの意味と特徴、基本の手順と失敗しないコツ、量産ラインでの機械化の実際、現場での使われ方、よくある質問までをわかりやすく解説します。

フォンサージュとは

フォンサージュとは、延ばしたタルト生地を型やリングの側面・底にぴったりと敷き込むことです。
フォンサージュ【仏:fonçage】とは、延ばしたタルト生地をタルトリングやタルト型の側面と底に、隙間なくぴったりと沿わせて敷き込む工程を指します。「底を付ける・敷く」という意味の動詞から派生した言葉とされ、タルトやキッシュのように生地を型に沿わせて焼くお菓子づくりの基礎工程です。生地を型にただ押し込むのではなく、側面をしっかり密着させながら底の厚みを均一に保つことが求められ、技術力の差が仕上がりに直結する工程です。

フォンサージュの手順とコツ

基本の手順

  1. 生地を数mmの厚さに延ばし、型よりひとまわり大きい円形に整える

  2. めん棒に生地を巻き取るか、両手で持ち上げて型にかぶせる

  3. 生地の縁を型の側面に沿わせて一周させ、底との角を指で軽くなじませる

  4. 側面に生地を軽く押し付けて密着させ、型からはみ出た余分な生地を切り落とす

  5. 底面にフォークで穴を開けるか重石(タルトストーン)を乗せ、空焼きに入る

失敗しないためのコツ

生地は冷蔵庫から出したてだと硬く、無理に延ばすと割れてしまいます。延ばす前に少し室温に置き、めん棒で問題なく伸ばせるやわらかさまで戻すことが大切です。型に敷き込む際は、生地の端を持ち上げて側面にぴったり沿わせたあと、指で「軽く」押さえるのがポイントです。底の部分を強く押さえると生地の厚みが不均一になり、焼成中に割れやすくなるため注意します。敷き込みが終わったら室温に置かず、すぐに冷蔵庫で休ませることも欠かせません。室温に置いたままだと生地がだれて、焼き縮みの原因になります。

量産ラインでの機械化

量産ラインでは、フォンサージュを人の手ではなく専用の成形機(タルトプレス機)で行うのが一般的です。国内メーカーのタルトプレス機は生地の充填から型への圧着・成形までを自動化し、1時間あたり数百個規模の成形が可能とされています。丸型・菊型・四角型など型の形状に応じて製作できるため、多品種のタルト・キッシュ生産に対応しやすい点が特徴です。海外メーカーには型をコンベアで搬送しながら生地を計量投入し、加熱プレスで敷き込みから成形まで一気に行う機種もあり、手作業より速いペースで均一な厚みの生地を量産できます。

フォンサージュを使う場面とコツ

フォンサージュは、パータ・ブリゼやパータ・シュクレなど、タルト・キッシュ系の生地を使うお菓子全般で行われる工程です。フルーツタルトやチーズタルトのような甘いお菓子だけでなく、キッシュ・ロレーヌのような惜菜系のお菓子でも、型に生地を敷き込む工程は同じくフォンサージュと呼ばれます。ミニサイズのタルトレットのように型数が多い商品ほど、1個あたりの敷き込み精度と作業スピードの両立が課題になりやすい工程です。

現場でよくあるつまずきは、空焼き(ブラインドベイク)時に生地が縮んだり、底面がふくらんでしまうことです。これを防ぐため、敷き込み後は生地を冷凍・冷蔵でしっかり休ませてから、底にフォークで穴を開ける、または重石を乗せて焼くという対策が広く行われています。型の縁からはみ出た生地を早く切り落としすぎると、焼成中に生地が縮んで縁が型より低くなってしまうため、仕上げのトリミングは焼成直前に行うのが安全とされています。

フォンサージュに関するよくある質問

フォンサージュとフォンセの違いは何ですか?

フォンサージュは生地を型に敷き込む「工程」を指す言葉です。フォンセは敷き込みが終わった生地そのもの、あるいは敷き込み済みのタルト生地を指す名詞として使われます。同じ敷き込み作業を指していても、工程か状態かで呼び方が変わる点が違いです。

フォンサージュ後に生地を休ませるのはなぜですか?

生地を型に敷き込む際は生地が伸ばされ、グルテンの働きで縮みやすい状態になっています。休ませずに焼くと焼成中に生地が縮んで型から外れたり底がふくらんだりするため、冷蔵庫や冷凍庫で一定時間休ませてから焼成することが推奨されています。

手作業と機械のフォンサージュで仕上がりに違いはありますか?

手作業は生地の厚みや型への密着具合を都度調整できる一方、個人差が出やすい工程です。機械化されたタルトプレス機は一定の圧力と速度で成形するため厚みが均一になりやすく大量生産に向きますが、細かい形状の微調整は手作業に劣る場合があります。

関連する用語

執筆者「森岡千明」の顔写真

執筆者 森岡千明|株式会社スナックミー パティシエ・商品開発

大阪のデザート専門店や東京の三ツ星レストラン、ケーキ店などでパティシエとして経験を積んだのち、株式会社スナックミーへ入社。商品開発職を経て、現在はカスタマーサポートを担当。商品開発で培った経験をもとに、お客さま一人ひとりの声にていねいに向き合いながら、福利厚生向け置き菓子の魅力や「おやつ時間」の楽しみ方を伝えるコンテンツ制作にも携わる。好きなおやつは『さつまいもチップス』と『サクほろ 濃厚ココアクッキー』。

製菓業界用語集を詳しくみる

まずはエントリー!

※募集状況と重なる方にのみ、2週間以内にご連絡します。

※この先続行することでプライバシーポリシーに同意したものとします。

製菓業界専門の採用サイト
『スナックミージョブ』

・都内で求職中のパティシエの方へ
・店舗アルバイトや製造パートの方へ
・物流の現場に興味のある方へ